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夢の再起動 ――30代・40代からの人生アップデート⑤ 子どもの夢を支える学びの資金計画 PART2

教育ローンと奨学金の違い、および教育資金の準備について

大学進学などにかかる教育費は、家庭にとって大きな負担です。そのため、必要に応じて「奨学金」や「教育ローン」といった制度を活用することが可能です。両者には目的が共通する部分もありますが、返済義務の有無や契約者の違いなど、仕組みに大きな違いがあります。


1. 教育ローンと奨学金の違い

教育資金に関して利用される制度は、大きく分けて「教育ローン」と「奨学金」の2つがあります。以下に、それぞれの概要と主なポイントを簡単にまとめましたので、よろしければご参考になさってください。

教育ローン

教育ローンは、保護者が借入・返済の責任を負うローンです。進学に必要な学費だけでなく、受験費用や通学費、教材費、下宿代など幅広い用途に対応します。(2025年5月8日現在の情報で記載しています)

  • 主な教育ローンの種類
    • 日本政策金融公庫の「教育一般貸付(いわゆる国の教育ローン)」
      • 融資上限:子1人につき350万円(自宅外通学等は450万円)
      • 返済期間:原則18年以内
      • 所得制限あり(例:子ども1人なら世帯年収790万円以下 等)
      • 日本学生支援機構の奨学金との併用可能

なお、民間の教育ローンについては、商品によって条件が異なるため一概には言えませんが、参考までに以下のような例があります。
たとえば、無担保型の教育ローンでは、一般的に返済期間が10年程度、借入上限が1,000万円前後となっていることが多いようです。
一方で、不動産などを担保とする有担保型のローンでは、借入期間を数十年に設定できるケースもあり、より高額の借入が可能な場合もあります。

奨学金(日本学生支援機構)

奨学金は、原則として学生本人が借り入れ、将来返済していく制度です。ただし「給付型」は返済不要で、経済的支援の意味合いが強くなります。

  • 種類
    • 貸与型
      • 第一種奨学金(無利子)と、第二種奨学金(在学中は無利子だが卒業後は有利子
      • 学力と家計状況による審査あり
      • 病気・けが・失業などの場合には返済猶予や免除措置がある
      • 繰り上げ返済も可能で、早期返済により利子軽減が可能
    • 給付型
      • 住民税非課税世帯などが対象で、返済義務なし
      • 一部の大学や制度では成績条件あり

※令和2年度の調査では、専門学校生の約40%、大学生の約50%が何らかの奨学金を受給しています(日本学生支援機構「学生生活調査」)。

その他の奨学金制度
 ・新聞奨学生制度
 ・各大学の独自制度
 ・交通遺児育英会  など


2. 教育資金の準備方法

進学を見据えた教育資金の準備には、さまざまな方法があります。家庭の資産状況やリスク許容度に応じて選ぶことが重要です。

① 教育積立預金(銀行)

  • 通常の積立より金利が高い
  • 教育ローン利用時の金利が、積立残高に応じて低くなる特典も
    ※なお、実際の条件や取り扱い内容は金融機関ごとに異なりますので、詳しくは各銀行等の窓口や公式サイトでご確認いただくことをおすすめいたします。

② こども保険(学資保険)

  • 保険契約者死亡時には保険料支払い免除、保険は継続
  • 満期時(18歳・20歳・22歳)に満期保険金を受取
  • 入学時ごとに祝い金(生存給付金)が支払われる場合も
  • 医療保険や育英年金付きのプランもあるが、既に死亡保障がある場合は重複加入に注意
  • 元本割れの可能性がある商品もあり、商品選定は慎重に

※上記は一般的な内容であり、実際の保障内容や条件は保険商品によって異なります。詳しくはご加入予定の保険会社等へご確認いただくことをおすすめします。

③ 債券・債券型投資信託

  • リスクは比較的低めで、長期的な資産運用に適しているとされています。
    ただし、リスクがないわけではありません。
    たとえば、発行体の信用状況の変化や、国をまたぐ投資による為替リスク、早期償還の可能性(早期に償還されるともともともらえる予定であった利息分がもらえない)などには留意が必要です。

④ 積立NISA・投資信託

  • リスクを取れる家庭であれば、長期で高い利回りが期待できる
  • 専門家への相談を推奨
    基本的に元本割れのリスクがあるため、運用にあたってはリスクを十分に理解し、無理のない範囲で慎重に行うことが大切です。特に、元本を守るためには、うまく運用する必須であり、適切な戦略と計画的な運用が求められます。

3. 教育資金の一括贈与にかかる贈与税非課税措置(2025年5月現在の情報)

教育費の贈与について、一定の条件を満たすと贈与税が非課税となる制度があります。

  • 適用期限:2026年3月31日まで
  • 贈与者:祖父母などの直系尊属
  • 受贈者:30歳未満の子・孫等
  • 非課税枠:
    • 学校への支出:1,500万円まで
    • 学校以外(習い事など):500万円まで
  • 手続き:金融機関等とのその教育資金管理契約を結ぶ必要がある
  • 贈与者が死亡時には通常相続税の対象となるが、
    以下のいずれかを満たせば相続税非課税
    • 受贈者が23歳未満
    • 学校在学中 
    • 教育訓練給付金の対象講座受講中 など

※ただし、贈与者が死亡した際、その相続財産の課税価格の合計額が5億円を超える場合、受贈者が23歳未満であっても、教育資金管理契約の残額が相続税の課税対象となる。令和5年(2023年)4月1日以降に信託等により取得する信託受益権等について適用されます。


教育資金準備のポイント

  • 教育費は、進学プラン・住宅・車などの大型出費とのバランスを取りつつ、キャッシュフローを可視化して計画的に準備することが重要です。
  • 学資保険の場合、シミュレーターをWeb上で提供している場合があり、概算金額を知る際に利用してみるのもよいでしょう。
  • 教育費の準備は早いほど有利であり、リスクを抑えたいなら学資保険、運用リスクを取れるなら積立NISAの活用も選択肢に入ります。
    ※学資保険の中には元本割れがするものもあるようですので、内容は事前に注意して保険の内容についてご確認ください。

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